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被疑者・被告人・容疑者の違い
1 被疑者と容疑者の違い
被疑者とは、刑事訴訟法上に規定がある言葉で、罪を犯したとして捜査機関に疑われている、起訴される前の者のことをさします。
日常、ニュースや新聞等では、被疑者という言葉を耳にしたり目にしたりといったことはあまりないかもしれません。
ニュースや新聞等では、マスコミは、被疑者ではなく、容疑者という言葉を使っています。
容疑者という言葉について、マスコミは、被疑者と同じ意味、つまい、罪を犯したとして捜査機関に疑われている、起訴される前の者という意味で使用していると思われます。
マスコミが被疑者ではなく、容疑者という言葉を用いるようになった理由は、被疑者と被害者の発音が似ていたためと言われているようです。
マスコミは、刑事手続の中で、正反対の立場である被害者・加害者の誤解・混同が生じないようにするために、被疑者ではなく、容疑者という言葉を使っているということです。
2 被告人とは
刑事訴訟法上、被疑者の立場にあったものが起訴されると被告人という名称に変わります。
被疑者と被告人の境界線は、起訴にあります。
なお、民事事件で訴えを提起された相手方を被告と呼称しますが、マスコミでは、刑事事件においても、被告人ではなく、被告という呼称を用いることが多いです。
3 まとめ
被疑者と被告人は、刑事訴訟法に規定されている用語なのですが、マスコミによるテレビや新聞での報道では、被疑者や被告人という言葉は使われません。
そして、被疑者の代わりに容疑者、被告人の代わりに被告という言葉が用いられます。
被疑者の代わりに容疑者と呼ぶのは、分かりやすさの観点から、よいと思います。
それに対して、刑事事件で起訴された者を民事事件で訴えを提起された者と同じ被告という呼称を用いることは、やや違和感を覚えます。
何故なら、民事事件は、金銭トラブル等の個人間のもめごとであり、犯罪を犯したという嫌疑をかけられて、国家機関である検察官に起訴されることとは、全く異質のことだからです。
なお、逮捕されたり起訴されたからといって、その人が犯罪を犯したことが確定するわけではありません。